mum / summer make good
FatCat Records
FATLP26
2LP
2007
UK
私の中の mum はこのアルバムで終わっています。もはやうろ覚えですが、前作〜今作の間ぐらいで双子の1人が抜けて、今作を最後に残りの1人もいなくなって、次のアルバムではなんか大所帯グループになっていた気がします。
やはり、私の中では mum はあの双子なんですね。
最新作ではギーザが復帰したみたいで期待したのですが、やっぱりダメでしたね。
というわけで、実質的なラストアルバムです。
内容もそれに相応しく、これまでにないくらいの脆さと儚さを兼ね備えたアルバムになっています。確かにこれまでもそうだったんですが、今作のクリスティンの声は本当にイノセンスという言葉が相応しいような、極めて繊細で、聴いていて胸が締め付けられるような響きを持っています。
触れたら壊れてしまいそうなくらい脆く幼いような。
どっちが先がわかりませんが、その声に呼応して、サウンドもこれまでのドリーミーさはなく、凍てついた幻想のような風景を淡々と奏でていきます。
次第にクリスティンの声はどこか解放に向かっているような優しい響きに変わっていきます。
そして、辿り着いたのは海だったのでしょうか。
そこからC面に行くのですが、その流れで行くのかと思いきや、最後はレクイエムのような厳かな響きで終焉を迎えます。
そして、夢幻の中へ堕ちて行くのでした。
確かにこの先はもう何もないですね。行くとこまで行ってしまいました。
次作が何か大所帯でワイワイやってるような気がしたのは気のせいではなかったですね。
そりゃ、こんなアルバムを出したあとはそうなるでしょう。
2LPですが、2枚目は片側エッチング仕様です。